減災について – 宅地の減災・共生研究会
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減災について

もはや異常気象ではなく、通常気象と受け止めるべき時期が到来!
備えあれば憂いなし!

運不運で片付けられない建物被災の現状

自然災害の被災地では、地震や洗掘等の様々な要因により宅盤が崩れた住宅(写真1、2)を見掛けますが、それらは「想定外」や「免責」で片付けられているのが現状です。
 現在の地盤補強は建築基準法に倣い長期の不同沈下防止の為に実施されており、短期は考慮されていませんが、杭によって辛うじて倒壊を免れた住宅を見ると、地盤補強工法の選択が被災程度に与える影響は多大です。

  • [写真1]宅盤が流失した為に倒壊した住宅
  • [写真2]宅盤が豪雨で流失したが杭で支持されていた為に倒壊を免れた住宅

地震や豪雨で地盤は緩む

現在の地盤調査に基づいた評価並びに設計では、地盤の硬さ・土質・標高等は未来永劫不変である事が前提で、天変地異による地盤変状は考慮されておりません。しかし、近年多発する地震や豪雨等を鑑みると、この前提は実情に即していないと言えます。

被災程度は低減(=減災)出来る

住宅が被災すると、住宅業界では原因を自然災害とし、「自然災害による被害=免責」とする傾向ですが、被害は「素因」と「誘因」が重なった結果です。
地震や豪雨等は「誘因」で、発生自体を制御する事は不可能であるのに対して、建物の立地等の「素因」は、設計次第で軽減する事が可能です。

被災原因= 誘因 + 素因

  • 誘因:自然災害そのもの、軽減不可能
  • 素因:被災の大小を分けるもの、軽減可能

被災地には「備えのヒント」が残っている

被災地にある目に見えない線
被災地では被災した住宅に目が行きがちですが、どの被災地でもそれらの周りには被災していない住宅があり、そこには平面や標高あるいは神社や祠等の目に見えない境界があります(写真3)。
その境界の両側の建物を比較すると、被災の有無は構造や建築年代ではなく地形等によるものが大きく、この境界線の見極めが減災への第一歩です。
  • [写真3]被災有無の境界線
地盤が崩れても鋼管杭や柱状改良が支えていた住宅
近年の自然災害被災地では、地震や豪雨等により宅盤が崩落したにも関わらず、自然災害を想定して施工されていいなかった小口径鋼管杭が露出した状態で辛うじて住宅を支持している現場を確認出来ました(写真4)。また、石垣とともに背面土も崩れた現場では、露出した柱状改良体が住宅を支持している光景を確認出来ました(写真5)。
各地盤改良工法の特長を把握し危険宅地を見破れば、素因を軽減する事も可能になり、減災につながります。
  • [写真4]斜面が崩れたが鋼管杭で支持されていた住宅
  • [写真5]石垣が崩れ柱状改良体が露出した住宅

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